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[今日の一枚]

今日の一枚は、建築家 長谷川逸子さんが設計した、湘南台文化センターです。
長谷川逸子さんはあの菊竹清訓事務所出身で、伊東豊雄さんとともに「野武士
」世代の代表格です。
また、長谷川逸子さんは数少ない有名女性建築家のお一人で、他の有名女性建
築家といえば、妹島和世さんや、林雅子さん、若手では乾久美子さんや永山祐子
さんなどが特に有名です。
今回ご紹介する「湘南台文化センター」は、1986年に槇文彦・磯崎新の二大巨匠
が審査員を務めた公開コンペで、長谷川逸子さんが最優秀賞を受賞し、一躍注目
を浴びることになります。
私がこの建築を気になっていた理由が2つあります。
一つ目は、二大巨匠が評価したにもかかわらず、私自身はなぜ評価されたのか
が全く理解できず、自身の成長のためにもその理由が知りたいと思ったから。
二つ目は、ワークショップを開き、市民との対話を活発に行うかたちで地域住
民を巻き込み、多くの時間や労力を費やしながら、合意形成を地道に行ないなが
ら設計を進める、というプロセスが共感できたからです。(この進め方は、雑誌
などのメディアから伝え聞くだけで、実際にどう進められたのかという詳細は分
かりませんが。)
ということで、この湘南台文化センターを観るためだけに、数年前に神奈川県
藤沢市まで足をはこびました。
率直な感想を言わせて頂ければ、実際にこの建築を観ても、建築自体の魅力は
私にはよく分かりませんでした。(何かあるはずだと、建物内外を歩きながら、
結構よく考えてみたのですが・・・)
ただ、その設計プロセスに関しては、今の私の設計スタイルにいい影響を与え
て頂きました。(住宅ならまだしも、大きな公共建築で地域住民とワークショッ
プ形式で設計を進めるというのは、いろいろな住民がいるわけですし、想像した
だけでも桁違いに大変なやり方だと思います。)
いい木材を使用したり丁寧で良心的な施工をするだけでなく、設計段階におい
てもしっかり時間と労力をかけて、お施主様や地域社会のことをよく考えて進め
ることが、スクラップ&ビルドから、ストック型の社会へと変わろうとしている
日本において大切なことなのではないか、など、湘南台文化センターを観て考え
させられました。
場所 :神奈川県藤沢市湘南台1丁目8番地
建築家:長谷川逸子
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