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[今日の一枚]








サボテンの花。10年に一度くらいしか咲かないそうです。
貴重なものが見れました♪












今回は、南フランスの旅行で訪れた、ル・トロネ修道院
に次ぐメインディッシュの一つ、あの!ル・コルビュジェ
のカップマルタンの休暇小屋です。
カップ・マルタンの休暇小屋は1952年8月コルビュジェが
最晩年である65 歳のとき、わずか8畳ほどの面積に最小限
寸法という建築テーマのもと設計完成したヴァカンス用の
小さな別荘です。
ル・コルビュジェは、フランク・ロイド・ライト、ミー
ス・ファン・デル・ローエと共に「近代建築の三大巨匠」
といえる大建築家で、僕も学生時代、彼の代表作ともいえ
る「建築をめざして」という本を読んでは大いに影響を受
けました。
現在に至っても、いわゆるコルビュジェの流れを汲んだ
ような、白くてシンプルで真っ白な箱、彼の提唱した5原
則のうちの、自由な平面、自由な立面を汲んだ家が沢山あ
り、また、そんな思想やイメージを汲んだ建築が、新建築
という主流の建築雑誌をいつも賑わしています。
確かにカッコいいですし、写真映えもして、審査員映え
もして、僕自身も学生時代、そういった作風に大いに憧れ
もしましたし、今でもカッコいいと思います。ただ、今の
僕の理想は色々異なりますし、僕は、ひたすらわが道を行
こうとも思っています。
そんな?無数の建築家の憧れで、僕自身にとっても大い
に影響を受けたコルビュジェの晩年の別荘、それが、今回
のカップマルタンの休暇小屋です。
このカップマルタンの休暇小屋といい、彼の晩年の傑作
のロンシャン教会といい、一体、彼が一世を風靡した5原
則を全く無視した晩年の名作は何だったのか、彼の建築の
本質は、実はその晩年の作品にこそなるのではないか、そ
う、つい妄想してしまいます。
さて、実際にカップマルタンの休暇小屋に訪れて僕が最
も感じたことは、なんと美しく素晴らしい立地なんだ、と
いうことです。
何とも美しい地中海のコート・ダジュールの東端に位置
するカップマルタンは、美しい海と海岸沿いの白い街並み
が、とても×2美しいです。ニースとは違いとても静かで
、世俗の喧騒にも隔離され、世界中で、これほど思索にふ
けることのできる美しい立地は果たして存在するのだろう
か、と思えるほど魅力的な場所でした。
そんな場所を好んでコルビュジェは選んだのか、と思う
と、何かコルビュジェの魂と触れ合ったような?(大げさ
?)何とも言えない喜びと満足感を感じてしまいました。
それにしても、たった8帖程度の小屋だけあって、とて
も小さくて簡素で、シンプルな別荘でした。この当時のコ
ルビュジェであれば、その気になれば贅を尽くした大豪邸
でも建てられたはずなのに、よりによってこんな別荘を建
ててしまうなんて。そんなコルビュジェの価値観に僕は大
いに共感し、自分の晩年にも、日本なのか海外なのかわか
りませんが、美しい海を味わえる絶景スポットに、思索に
耽れる、静かなで簡素で小さな休暇小屋を作りたいと物思
いに耽る思う今日この頃です。
あぁ、本当にいいものを観させて頂きました♪
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