先週、「伝統的構法木造建築物の新築と改修について」
という講習会に参加してきました。実務者に大変有益な
情報を沢山講演して頂き、とてもためになりました。特
に印象的だったのは、昔ながらの石場立ての工法が大地
震においていかに有効に効き、倒壊を防ぐメカニズムな
のかということや、石場立て工法には今のところ限界耐
力計算が避けられないということ、そして、2016年
の熊本地震による木造建築物の被害調査の分析です。
また、E−ディフェンスによる木造伝統構法の原寸大の
建物を過去の大地震と同じように揺らした時の揺れ方を
再度確認できたのも良かったです。
今後、いわゆる伝統構法が建てやすくなるような法改正
が進んで行くようです。西欧的な、ただただ硬い壁と硬
い床に頼る工法から、社寺建築のようにより強くしなや
かな、そして風土にも理に適った方向へ進んでいくとい
いなと思います。
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2018年02月04日
2017年04月28日
アルフレックス名古屋主催「2017ミラノサローネレポート」
昨日、アルフレックス名古屋主催の「2017ミラノサ
ローネレポート」を聞きに伺いました。ミラノサローネ
は、イタリアのミラノで年一回行われる家具やデザイン
の一大イベントで、その年のトレンドや最先端のデザイ
ンなどが目白押しの大きなイベントです。今年のミラノ
サローネの概要を、アルフレックスさんに分かりやすく
レポートして頂きました。
その中で、いくつか心に残るイメージや、今後のヒント
になりそうな情報がありました。建築をつくる上で、ト
ータルでのデザイン力を磨いて、もっと質を追及してい
きたいものです。
あぁ、それにしても、近い将来ミラノサローネに行って
、生の雰囲気を味わってみたいなぁ。
ローネレポート」を聞きに伺いました。ミラノサローネ
は、イタリアのミラノで年一回行われる家具やデザイン
の一大イベントで、その年のトレンドや最先端のデザイ
ンなどが目白押しの大きなイベントです。今年のミラノ
サローネの概要を、アルフレックスさんに分かりやすく
レポートして頂きました。
その中で、いくつか心に残るイメージや、今後のヒント
になりそうな情報がありました。建築をつくる上で、ト
ータルでのデザイン力を磨いて、もっと質を追及してい
きたいものです。
あぁ、それにしても、近い将来ミラノサローネに行って
、生の雰囲気を味わってみたいなぁ。
2015年01月24日
藤村龍至さんのセミナー「3.11後の建築を考える〜あいちのデザインに向けて〜」
今日、藤村龍至さんのセミナー「3.11後の建築を考え
る〜あいちのデザインに向けて〜」を聞きに、金山に行
ってきました。
藤村さんは今注目の若手建築家のお一人で、建物をつ
くるプロセスをとても大切にされている方です。そのプ
ロセスを手間と時間を惜しまず経ることによって、より
社会全体や地域住民にとって有益な建物が出来上がると
いうことを、多くの具体例を交えて詳しく教えて頂きま
した。
そのプロセスに関する詳しい説明は省かせて頂きます
が、今後公共施設を取り組む際には、大変有効な進め方
だと思いました。以前、建築探訪で取り上げさせて頂い
た、湘南台文化センターを設計した長谷川逸子さんのプ
ロセスとやや似ていますが、藤村さんの仕組みの方がよ
り確実に住民の意を組んだものが出来そうだと思いまし
た。
建築家の社会的責任をいかにまっとうしていくのかと
いうのは、重要で重たい課題だと思います。自分に合っ
た方法論を実践しながら、より社会にとってもいい建築
をつくっていきたいと思います。
永井政光建築設計事務所HPはこちら!
る〜あいちのデザインに向けて〜」を聞きに、金山に行
ってきました。
藤村さんは今注目の若手建築家のお一人で、建物をつ
くるプロセスをとても大切にされている方です。そのプ
ロセスを手間と時間を惜しまず経ることによって、より
社会全体や地域住民にとって有益な建物が出来上がると
いうことを、多くの具体例を交えて詳しく教えて頂きま
した。
そのプロセスに関する詳しい説明は省かせて頂きます
が、今後公共施設を取り組む際には、大変有効な進め方
だと思いました。以前、建築探訪で取り上げさせて頂い
た、湘南台文化センターを設計した長谷川逸子さんのプ
ロセスとやや似ていますが、藤村さんの仕組みの方がよ
り確実に住民の意を組んだものが出来そうだと思いまし
た。
建築家の社会的責任をいかにまっとうしていくのかと
いうのは、重要で重たい課題だと思います。自分に合っ
た方法論を実践しながら、より社会にとってもいい建築
をつくっていきたいと思います。
永井政光建築設計事務所HPはこちら!
2014年06月15日
講習会「漆喰をかがくする」
先日、「漆喰をかがくする」という講習会に参加させて
頂きました。僕の設計する家は漆喰を多用していることも
あり、あらためて漆喰が素晴らしい材料である、というこ
とが客観的に再認識できてとても有益な講習会でした。
講師は、漆喰の普及に情熱を燃やす左官業の4代目の福
田正伸(漆喰九一)さん。下記は、特に僕にとって印象深
かった事項です。
<漆喰は火災に強い>
実際にバーナーで漆喰壁を燃やそうとする動画を見せて
頂きました。建築基準法で不燃材料に指定されているのは
当然知っていたのですが、映像として動画で見させて頂い
て、いかに火に強いのか、燃えないのかが皮膚感覚で理解
できたように思います。
<火災の際に有毒ガスを発生しない>
建物火災での死因のトップは火傷ではなく、一酸化炭素
中毒又は窒息で、その根本原因である有毒ガスの発生元は
、ビニールクロスやそれを貼ったり新建材などによく使わ
れる接着剤が燃えることによることが多いそうです。(い
わゆるジョリパット系の塗材はもちろんのこと、自然素材
と言われている珪藻土にも接着剤は入っています。)よく
使われる建築材料のうちで、火災においても全く有害物質
を発生しない数少ない材料の一つが漆喰です。そういう意
味においては、漆喰は、命を守る材料と言っても過言では
なさそうです。万が一、漆喰壁とクロスを併用している家
にお住まいの家が火災にあった場合は、なるべく漆喰の部
屋を通りながら外に出られた方がよさそうです。
<においが付きにくい>
においの原因の多くは油の酸化によるもので、そういっ
た油は、一般的は壁などには『面』にベチャッとつくそう
ですが、漆喰は静電気を帯びないことにより、『点』とし
てしか油がつかず、それによってにおいがかなりつきにく
いそうです。実際に、竣工後何年も経過した漆喰の家にお
邪魔しても、本当に、どの家も空気が綺麗な印象がありま
す。(漆喰壁だからこそ、何年経っても木の香りがしてい
るのかもしれません。)
漆喰は消臭効果もあります。講習会の会場で、スルメを
いれたタッパーを2種類まわして頂いたのですが、1つは
タッパーにスルメのみ、もう一つはタッパーの内側に漆喰
を塗った上にスルメが入っていました。実際に匂いを嗅ぎ
比べると、明らかに漆喰が塗ってある方が匂いがマイルド
で優しい感じでした。
その他にも、漆喰は本当に固まるまでは1〜1年半かか
ることや、イタリアのアルベロベッロの漆喰壁の街並みの
話し、福田さんの失敗談やこれからの漆喰についてなど、
中身の濃いお話しでした。
本当に貴重なお話しを聞かせて頂き、ありがとうござい
ました。
頂きました。僕の設計する家は漆喰を多用していることも
あり、あらためて漆喰が素晴らしい材料である、というこ
とが客観的に再認識できてとても有益な講習会でした。
講師は、漆喰の普及に情熱を燃やす左官業の4代目の福
田正伸(漆喰九一)さん。下記は、特に僕にとって印象深
かった事項です。
<漆喰は火災に強い>
実際にバーナーで漆喰壁を燃やそうとする動画を見せて
頂きました。建築基準法で不燃材料に指定されているのは
当然知っていたのですが、映像として動画で見させて頂い
て、いかに火に強いのか、燃えないのかが皮膚感覚で理解
できたように思います。
<火災の際に有毒ガスを発生しない>
建物火災での死因のトップは火傷ではなく、一酸化炭素
中毒又は窒息で、その根本原因である有毒ガスの発生元は
、ビニールクロスやそれを貼ったり新建材などによく使わ
れる接着剤が燃えることによることが多いそうです。(い
わゆるジョリパット系の塗材はもちろんのこと、自然素材
と言われている珪藻土にも接着剤は入っています。)よく
使われる建築材料のうちで、火災においても全く有害物質
を発生しない数少ない材料の一つが漆喰です。そういう意
味においては、漆喰は、命を守る材料と言っても過言では
なさそうです。万が一、漆喰壁とクロスを併用している家
にお住まいの家が火災にあった場合は、なるべく漆喰の部
屋を通りながら外に出られた方がよさそうです。
<においが付きにくい>
においの原因の多くは油の酸化によるもので、そういっ
た油は、一般的は壁などには『面』にベチャッとつくそう
ですが、漆喰は静電気を帯びないことにより、『点』とし
てしか油がつかず、それによってにおいがかなりつきにく
いそうです。実際に、竣工後何年も経過した漆喰の家にお
邪魔しても、本当に、どの家も空気が綺麗な印象がありま
す。(漆喰壁だからこそ、何年経っても木の香りがしてい
るのかもしれません。)
漆喰は消臭効果もあります。講習会の会場で、スルメを
いれたタッパーを2種類まわして頂いたのですが、1つは
タッパーにスルメのみ、もう一つはタッパーの内側に漆喰
を塗った上にスルメが入っていました。実際に匂いを嗅ぎ
比べると、明らかに漆喰が塗ってある方が匂いがマイルド
で優しい感じでした。
その他にも、漆喰は本当に固まるまでは1〜1年半かか
ることや、イタリアのアルベロベッロの漆喰壁の街並みの
話し、福田さんの失敗談やこれからの漆喰についてなど、
中身の濃いお話しでした。
本当に貴重なお話しを聞かせて頂き、ありがとうござい
ました。
2011年11月21日
家の勉強会 講師:久住有生氏(左官職人)、伊礼智氏(建築家)

先日受講した勉強会の様子です。愛知県の名工大(名古屋工業大学)で開催
された、「木の家スクール」という勉強会で、月に1回程度、様々な木の家の
スペシャリストの方が講師としていらして下さいます。
今回のトップバッターは、ドイツやフランスなど、世界的に活躍される左官
職人の久住有生(くすみなおき)さんです。
久住さんのお話しで印象的なことは、
・数奇屋などの左官の最後の仕上げは5回塗りで、150種類以上のコテを使い
分ける。
・そのコテは加治屋さんにオーダーメイドで色々と要望をだして作ってもらう。
・できる限り、土壁はセメントを入れず(減らして)、土本来の感じを大切に
している。
などです。いい勉強になりました。

次は伊礼智(いれいさとし)さんです。伊礼さんは現在大活躍で本も出され
ている建築家で、東京を中心に活動され、特に小さな住宅の設計が得意な建築
家です。
伊礼さんのお話しで印象的なことは、
・軒先の高さはH=2,100がちょうどいい。H=2,500もあると間が抜けてしまう。
・断熱材として、セルロースファイバーがおすすめ。
・お仲間は、中村好文さん、永田さん、益子さん。
・上手に設計する3つのポイント
1.天井を低くする。
2.窓を少なくする。
3.天井に照明を付けない。
・俵屋旅館は素晴らしい。
などです。共感できるところがとても多く、いい勉強をさせて頂きました。
参考図書 : 伊礼智の住宅設計法/伊礼智 著 新建新聞社
撮影日:2011.11.19
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